世界の夏バテ解消ドリンク特集:アジア・中東・中南米の爽やかレシピ20選

世界の知恵が詰まった“夏バテ撃退ドリンク

夏の暑さが体力を奪い、食欲も落ちる季節。そんなとき、世界各国では暑さをしのぐために工夫された「夏バテ解消ドリンク」が豊富にあります。発汗を促し体温を調整する飲み物や、体に優しく栄養を補給するドリンクが、暑い季節にピッタリ。今回の記事では、アーユルヴェーダが誇るインドのアムラジュースから、モロッコのミントティー、南米のチチャモラーダまで──各地で培われた知恵とレシピを一挙大公開。豊富なビタミンやミネラル、抗酸化成分がぎゅっと詰まった厳選20種のレシピを、今日からあなたのキッチンでも再現してみませんか?

【1】アジア編

<1-1>インドのアムラジュース(Amla Juice)

アムラ(インディアン・グーズベリー)はアーユルヴェーダで「冷性」の果実とされ、体内の過剰な熱を和らげます。100gあたり600~700mgを含む豊富なビタミンCに加え、タンニンやポリフェノールなど抗酸化物質も多く、疲労回復と免疫力アップに◎。また、微量の鉄分・ビタミンAが血行促進や粘膜保護をサポートします。

愛用地域:インド全土(特にアーユルヴェーダ文化が根付く南インド)

📌アムラジュースのレシピ(1杯分)

  • アムラ果実 … 1個(約20g)※なければアムラパウダー小さじ1
  • 水 … 300ml
  • はちみつ … 小さじ1(お好みで増減)
  • ミントの葉 … 適量(香りづけ)
◎作り方
  1. アムラ果実は皮ごとすりおろし、ペースト状にする。パウダーの場合は水に溶かす。
  2. はちみつを加え、透明感が出るまでよく混ぜる。
  3. 氷を入れたグラスに注ぎ、ミントを飾って爽やかに。

<1-2>東南アジア:レモングラス&パンダンハーブティー

香り高いレモングラスとパンダンリーフで作るハーブティーは、疲労回復や消化促進に効果的で、東南アジア諸国で古くから親しまれています。冷やして飲むと、すっきり爽やか!レモングラスにはリモネンやゲラニオールなど精油成分が含まれ、消化促進と抗炎症作用で胃腸を整えます。パンダンリーフはベータカロテンやビタミンB群が微量含まれ、体のだるさを緩和。冷やして飲めば、血管拡張による「ほてり解消」&リラックス効果も。

愛用地域:ベトナムを中心に、タイ、マレーシア、インドネシアでも日常的に飲用

📌レモングラス&パンダンハーブティーレシピ(約2人分)

  • レモングラス … 2本(5~6cmにカット)
  • パンダンリーフ … 1枚(5cm幅に切る)
  • 水 … 500ml
  • はちみつ … 小さじ2
◎作り方
  1. 鍋に水とレモングラス、パンダンリーフを入れ、中火で火にかける。
  2. 沸騰したら弱火にし、蓋をして約15分煮出す。
  3. 粗熱が取れたら茶こしで濾し、はちみつを溶かす。
  4. 冷蔵庫でしっかり冷やし、氷を入れてサーブ。

<1-3>タイ:ハイビスカス&レモングラスティー(ガティエル風)

「ガティエル風」とは? タイ語で「薬膳スープ」を指す伝統的なハーブ煮込み料理をベースにアレンジしたものを「ガティエル風」と呼んでいます。もともとはレモングラスやタマリンド、ハイビスカス(ローゼル)などをじっくり煮込む温かい“薬膳スープ”(身体の余分な熱を取るために食後や夏場でも好まれる)ですが、その煮出しレシピを冷やして“冷製ティー”に仕立てたスタイルを指します。味わいはトムヤムやカオソーイのような辛味・旨味ではなく、ハーブの清涼感・ほのかな酸味が主役になります。

乾燥ローゼル(ハイビスカス)はクエン酸やアントシアニンが豊富で、血流改善と疲労回復に貢献。レモングラスの抗菌・消化促進作用と合わせ、体内の熱を取りつつ水分とミネラルバランスを調整します。

愛用地域:タイ料理文化圏(トムヤム風薬膳ベース)

📌ローゼル(食用ハイビスカス)とは?

◎乾燥ローゼル

主に「Hibiscus sabdariffa」(ハマボウ属サブダリファ種)のガク(萼)を乾燥させたもの。深い赤色と酸味、クエン酸・アントシアニン豊富で、世界中のジュース・ハーブティー原料として用いられます。

◎乾燥ハイビスカス

一般に観賞用の「Hibiscus rosa-sinensis」(タイや中国南部などで街路樹にもなる)、あるいはその近縁種の花を乾燥させたもの。色味はローゼルほど濃くない場合が多く、用途は装飾的な茶葉ブレンドが主です。

学術的にはどちらもアオイ科ハイビスカス属ですが、飲み物用の原料として使われるのは、ほぼすべて「H. sabdariffa」であり、これを「ローゼル(Roselle)」または「食用ハイビスカス」と呼ぶのが正確です。

各国における呼称一覧

国・地域呼称(現地語/英語)学名用途・備考別名・通称例
日本ローゼル/食用ハイビスカス (Roselle)Hibiscus sabdariffaジュース、ハーブティー
英語圏RoselleH. sabdariffaHibiscus tea/sour teaJamaican sorrel (英Caribbean)
メキシコAgua de JamaicaH. sabdariffa冷たいジュース「ホラチャータ」に次ぐ夏飲料Jamaica(ジャマイカ)
西アフリカBissapH. sabdariffa乾燥花弁で作る伝統ドリンクZobo(ナイジェリア)
エジプト・スーダンKarkadéH. sabdariffa伝統的ハーブティー「カルカデ」
カリブ海諸島SorrelH. sabdariffaクリスマスドリンク、ソーダ割り
フランス語圏Bissap/Groseille de GuinéeH. sabdariffaハーブティー、ゼリー
タイน้ำกระเจี๊ยบ (Nam Krachiap)H. sabdariffaハーブティー/伝統薬膳に使用
中国洛神花茶 (Luóshén huā chá)H. sabdariffa烏龍茶や紅茶にブレンド、薬膳茶
日本(観賞用)ハイビスカスH. rosa-sinensis装飾・観賞用、ブレンド茶China rose
英語圏(観賞用)HibiscusH. rosa-sinensisガーデン植物Shoeblackplant

📌ハイビスカス&レモングラスティーレシピ(約2人分)

  • 乾燥ローゼル(ハイビスカス) … 小さじ1
  • レモングラス … 1本(斜め切り)
  • パンダンリーフ … 1枚(あれば)
  • 水 … 500ml
  • はちみつまたはパームシュガー … 大さじ1
◎作り方
  1. 鍋に水とハーブ類を入れ、中火で沸騰させる。
  2. 沸騰後10分ほど煮出し、火を止める。
  3. やや温かいうちに甘味料を加えて溶かし、茶こしで濾す。
  4. 冷蔵庫で冷やし、氷を入れてどうぞ。

<1-4>韓国:シッケ(Sikhye)

韓国の伝統甘酒「シッケ」は、米と麦芽を使った優しい甘さの発酵ドリンク。米と麦芽の発酵過程で生まれるビタミンB群、酵素、乳酸菌が消化を助け、腸内環境を整えます。加えて、米由来のブドウ糖が即効のエネルギー補給に◎。清涼感ある甘さで、汗をかいた後の水分・糖分補給にもぴったり。冷たくして飲むことで、消化を助けつつ体を内側から整えます。

愛用地域:韓国全土(伝統茶・デザート飲料)

📌シッケのレシピ(約2人分)

  • 炊いたご飯 … 1カップ
  • 麦芽粉末 … 大さじ2
  • 水 … 500ml
  • 砂糖 … 大さじ1〜2(お好みで)
◎作り方
  1. 麦芽粉末を布袋に入れ、水500mlをくぐらせて麦芽水をつくる。
  2. 60℃程度に温めた麦芽水にご飯を加え、保温容器などで5時間以上放置して発酵。
  3. 米粒が浮いてきたらこし、砂糖を溶かす。
  4. 冷やしてから氷を入れて召し上がれ。

<1-5>東欧~モンゴル高地圏:エルダーフラワードリンク(Elderflower Drink)

シベリアやモンゴルではエルダーフラワーが非常に重要な薬草として使われます。冷却作用があり、体内の熱を冷ますのに役立つため、暑気払いとして、エルダーの花を乾燥させてお茶にして飲んだり、ハーブ風呂に使用することが一般的です。エルダーフラワーにはフラボノイドや芳香成分が多く含まれ、抗炎症・利尿作用で体内の余分な熱や水分の滞りを改善。ビタミンCやビタミンAの前駆体も含むため、夏の疲労回復と美肌ケアにも重宝されます。

愛用地域:モンゴルやシベリア地方に加え、特にルーマニアや東欧(ポーランド、チェコなど)でも伝統的に飲まれています。

📌Elderflower Drinkのレシピ(1~2人分)

  • 乾燥エルダーフラワー … 大さじ1
  • レモン薄切り … 2枚
  • はちみつ … 小さじ1
  • 水 … 300ml
◎作り方
  1. ポットに乾燥エルダーとレモンを入れ、熱湯300mlを注いで蓋をし、10分ほど蒸らす。
  2. 茶こしで濾し、はちみつを溶かす。
  3. 温かくても、氷を入れて冷やしてもOK。

【2】中東・北アフリカ編

<2-1>モロッコ・北アフリカ:ミントティー(Atay Nanaa)

Atay Nanaa(アタイ・ナアナア)とは、アラビア語で「ミントティー」を指し、緑茶に大量のミントと砂糖を加えたモロッコ式のミントティー。(アラビア語で「アタイ」はお茶、「ナアナア」はミントを意味します。)モロッコでは「ナナミント(ナアナア)」と呼ばれるスペアミント系の品種が多く使われ、暑い日に「熱いミントティー」を飲んで汗を促し、発汗により体温を下げるという(体温調節を図る)伝統的な習慣が、モロッコや北アフリカ地域で根付いています。カテキン豊富な緑茶と、メントールを含むミントで消化促進・抗炎症作用&血管を拡張しほてりを解消します。

使用する緑茶は、中国の浙江省で生産された「ガンパウダー緑茶」(平水珠茶)が主流です。「ガンパウダー緑茶」(Gunpowder green tea)は、高温焙煎され、葉が丸く球状に巻かれているため「火薬(Gunpowder)」のような見た目をしています。保存性に優れていることから19世紀に英国経由でモロッコに輸入され、現地の茶文化に根付いた歴史があります。

アルジェリア、チュニジア、リビア、エジプトなどでもモロッコ式の緑茶ミントティーは飲まれていますが、 エジプトでは紅茶ベースのミントティーが主流で、リプトンなどのティーバッグに生のスペアミントをたっぷり入れ、砂糖を加えるスタイルが一般的です。

通常は金属製のティーポットで煮出して作られ、ガラスの小さなティーカップに高い位置から注いで泡を立てる所作も含めておもてなし文化の象徴とされています。甘くて香り豊かで、暑い気候にもよく合うため、家庭やカフェ、路上などで日常的に愛飲されています。

愛用地域:モロッコ、アルジェリア、エジプトなど北アフリカ諸国

📌アティ・ナヌアのレシピ(約2人分)

  • 緑茶(ガンパウダー)… ティースプーン2杯
  • フレッシュミントの葉… 10~15枚
  • 砂糖… 大さじ1~2(好みで調整)
  • お湯… 500ml
◎作り方
  1. 茶壺に緑茶とミントを入れ、沸騰したお湯を注いで20秒ほど“洗茶”し、苦味とホコリを除く。
  2. 再度500mlお湯を注ぎ、ふたをして3~5分蒸らす。
  3. 砂糖を溶かし、氷を入れてアイスでも、熱いうちに発汗ドリンクとしても◎。

<2-2>トルコ:アイラン(Ayran)

トルコの伝統的な塩味ヨーグルトドリンク。ヨーグルト発酵で生まれる乳酸菌とビタミンB群、カルシウムが腸内環境を整えてくれます。さっぱりとした口当たりで、塩分と水分補給が同時にできるため、夏バテ防止にピッタリ。

愛用地域:トルコ、アゼルバイジャン、バルカン諸国でも親しまれています。

📌アイランのレシピ(一杯分)

  • プレーンヨーグルト… 200ml
  • 冷水… 100ml
  • 塩… ひとつまみ
  • ミント… お好みで
◎作り方
  1. ボウルにヨーグルトと塩を入れ、泡立つまでよく混ぜる。
  2. 冷水を少しずつ加え、なめらかな状態に仕上げる。
  3. 氷・ミントを添えてよく冷やしてどうぞ。

<2-3>エジプト・スーダン:カルカデ(Karkade)

ローゼル(ハイビスカス種)はクエン酸やアントシアニンを豊富に含み、血行促進&疲労回復、利尿作用でむくみもスッキリ。ビタミンCも摂取でき、熱さましに最適です。

愛用地域:エジプト、スーダンで定番。中東・アフリカ北部の暑期定番ドリンク。

📌Karkadeのレシピ(約2人分)

  • 乾燥ハイビスカス(ローゼル)… 大さじ1(約10g)
  • 水… 500ml
  • 砂糖… 大さじ1~2
  • ミント… お好みで
◎作り方
  1. 鍋に500mlの水とハイビスカスを入れ、中火で沸騰させる。
  2. 火を弱め、5~7分煮出したら火を止める。
  3. 砂糖を溶かして茶こしで濾し、氷を入れてキリリと冷やす。

<2-4>シリア・レバノンほか中東:ジャラーブ(Jallab)

デーツやブドウのモラセス(濃縮果汁)にローズウォーターをブレンド。カリウムやマグネシウムなどミネラル豊富で即効エネルギー補給&抗酸化作用があります。中東諸国ではラマダンの断食明け(イフタール)に飲まれる定番ドリンク。糖分・ミネラルを即補給でき、冷たい甘さとナッツの香ばしさが断食明けの体にやさしく馴染みます。

愛用地域:シリア、レバノン、パレスチナなどレバント圏

📌Jallabレシピ(一杯分)

  • ジャラーブシロップ… 大さじ2(市販可。自作はデーツペースト+ブドウモラセス+ローズウォーター1:1:0.5)
  • 水… 250ml
  • 氷… 適量
  • 松の実・刻みナッツ… お好みでトッピング
◎作り方
  1. グラスにシロップを入れ、水を注いでよく混ぜる。
  2. 氷をたっぷり、ナッツを散らして完成。

<2-5> イラン・レバント:タマリンドドリンク(Tamar Hindi)

タマリンド(インドミソハギの果実)はクエン酸やB群ビタミン、カリウムを含み、消化促進&抗酸化効果で体内の余分な熱を和らげ、胃腸の働きをサポートします。レバント(シリア・レバノン・パレスチナ)やイラン、エジプトなどで断食明け(イフタール)に飲まれる定番ドリンク。甘酸っぱくさっぱりとした味わいが、断食明けの体に優しく、消化を助けます

愛用地域:イランやシリア・レバノン、エジプトなど中東・北アフリカで飲用

📌タマリンドドリンクレシピ(約2人分)

  • タマリンドペースト… 30g
  • 熱湯… 200ml(ペーストを溶かす用)
  • 水… 300ml
  • はちみつまたは砂糖… 大さじ1~2
  • 氷… 適量
◎作り方
  1. ボウルにペーストと熱湯200mlを入れ、スプーンでしっかり溶かして10分ほど置く。
  2. 濾したタマリンド液をグラスに注ぎ、水と甘味料を加えて混ぜる。
  3. 氷を浮かべて冷たく提供。

【3】中南米・アメリカ編

<3-1>メキシコ:オルチャータ(Horchata de Arroz)

メキシコの夏の定番、オルチャータ。生米とアーモンド、シナモンを一晩浸して作る、ほんのりシナモン香る甘いドリンク。炭水化物が素早いエネルギー源に、アーモンドのビタミンEやマグネシウムが抗酸化&神経の安定、シナモンのポリフェノールが血行促進&抗炎症に役立ちます。

愛用地域:メキシコ(特に中部・南部)ほか中米でも飲用

📌horchataのレシピ(約2人分)

  • 生米 … 1/2カップ
  • アーモンド … 20粒
  • シナモンスティック … 1本
  • 水 … 2カップ(浸し用)+牛乳1カップ
  • 砂糖 … 大さじ2
作り方
  1. 米・アーモンド・シナモンスティックを清潔なボウルに入れ、水2カップを注ぎ、一晩冷蔵。
  2. 水ごとミキサーにかけ、滑らかに攪拌。シナモンスティックは取り除く。
  3. 茶こしで濾し、牛乳と砂糖を加えて混ぜ、冷蔵庫で冷やす。氷を入れてサーブ。

<3-2>メキシコ:トマティージャ&アロエジュース

青トマト(トマティージャ)とアロエベラのジュースは、メキシコならではのナチュラルクールダウンドリンク。トマティージャ(青トマト)はビタミンCとカリウムが豊富で、血流改善&筋肉のけいれん予防に◎。アロエベラのペクチンや酵素が胃腸を整え、ライムのクエン酸が疲労回復をサポートします。

愛用地域:メキシコ全土。都市部の市場や屋台でも定番。

📌トマティージャ&アロエジュースのレシピ(約1~2人分)

  • トマティージャ … 2個(皮を湯通しして薄皮をむく)
  • アロエベラ中身 … 大さじ2
  • ライム汁 … 小さじ1
  • 水 … 200ml
  • はちみつ … お好みで小さじ1
作り方
  1. 全材料をミキサーに入れ、滑らかになるまで攪拌。
  2. グラスに注ぎ、氷を浮かべて冷たく提供。

<3-3>アメリカ南部:スイカジュース

アメリカ南部では、ミントやスイカ、アイスティーを活かしたドリンクで夏を乗り切ります。高い水分含有に加え、リコピン(抗酸化物質)やカリウムを豊富に含むスイカは、むくみ解消&筋疲労回復に最適。ミントの香りがすっきり感を引き立てます。

愛用地域:アメリカ南部(テキサス、ルイジアナ、フロリダなど)の夏ドリンク文化の一環

📌スイカジュースレシピ(約2人分)

  • スイカ … 2カップ(種なし)
  • ミント … 数枚
  • ライム汁 … 小さじ1
作り方
  1. スイカをミキサーに入れ、ライム汁とともに攪拌。
  2. グラスに注ぎ、ミントを飾って氷と一緒にどうぞ。

<3-4>アメリカ南部:ミントジュレップ風アイスティー

バーボンベースの伝統的カクテル「ミントジュレップ」は、ケンタッキーダービーの公式ドリンクとして知られ、ミントの清涼感とクラッシュアイスのキリッとした口当たりで、アメリカ南部の熱気をしなやかに和らげてきました。そんなカクテル文化をノンアルコールで再現したのが、「ミントジュレップ風アイスティー」です。

紅茶に含まれるカテキンは、紫外線でダメージを受けやすい夏肌の抗酸化ケアに最適。さらにミントシロップに含まれるメントール成分が、胃腸の働きを助けながらクールダウン効果も発揮してくれます。ほどよい甘さのシロップは、軽いエネルギー補給にもぴったり。まさに夏バテ解消にうってつけの一杯

お酒が苦手な人でも楽しめる、現代風にアレンジされた「サウザン・ホスピタリティ」。クラシックな味わいと実用性を兼ね備えたこのアイスティーで、夏を軽やかに乗り越えてみませんか?

愛用地域:ケンタッキーやミシシッピ等アメリカ南部のカクテル文化とも関係

📌ミントジュレップ風アイスティーレシピ(1人分)

  • 冷たい紅茶 … 200ml
  • ミントシロップ … 大さじ1(市販可)
  • 氷 … 適量
  • ミント … 飾り用
作り方
  1. 冷えた紅茶にミントシロップを加え、よく混ぜる。
  2. 氷を詰めたグラスに注ぎ、ミントを飾って完成。

<3-5>アマゾン圏:アサイベリースムージー

アサイベリーはアマゾンの代表的なフルーツで、冷却作用と抗酸化作用があります。暑い地域では、アサイのジュースやスムージーを摂取することで、体をクールダウンさせつつ、栄養も補うことができます。アサイは強力な抗酸化フルーツとして知られ、アントシアニンや食物繊維が豊富。血流改善&疲労回復に加え、消化もサポートします。

愛用地域:ブラジル北部・アマゾン地域で伝統的に利用、大都市部でも健康志向で普及

📌アサイベリースムージーレシピ(1人分)

  • アサイピューレ(冷凍) … 100g
  • バナナ … 1/2本
  • 牛乳または豆乳 … 100ml
  • はちみつ … 小さじ1
  • グラノーラ・フルーツ … トッピング
作り方
  1. アサイピューレ、バナナ、牛乳、はちみつをミキサーに入れて攪拌。
  2. お好みでグラノーラやフルーツを散らして召し上がれ。

<3-6>ペルー・ボリビア:チチャモラーダ(Chicha Morada)

チチャモラーダ(Chicha Morada)とは、ペルーのアンデス山脈高地で栽培される紫トウモロコシ(maíz morado)を煮出し、シナモンやクローブ、フルーツと共に煮込んで作られるノンアルコール飲料。

紫トウモロコシは、ペルーのアンデス地方を中心に古くから栽培されている伝統作物で「マイース・モラド(maíz morado)」と呼ばれます。高地特有の強い紫外線が、紫トウモロコシの色素(アントシアニン)を発達させる要因のひとつと考えられていて、主にペルー中部~南部のアンデス高地(標高2500m以上)で栽培され、ボリビア南部にも広がっています。

黄色いトウモロコシは「ルテイン:眼の健康に良い」や「βカロテン:免疫系」が主な機能性成分であるのに対して、紫トウモロコシは「アントシアニン」を豊富に含むのが最大の特徴。「アントシアニン」はポリフェノールの一種で、抗酸化作用が非常に強く、眼精疲労や血管保護などの効果が期待され、ペルーでは栄養価の高い伝統作物として尊重されています。

チチャモラーダはその活用法として、老若男女に愛されており、紫トウモロコシに含まれるアントシアニンが強力な抗酸化&抗炎症作用、シナモンやクローブのスパイスが血行促進&消化機能を助けます。

愛用地域:ペルー、ボリビアのアンデス高地で伝統ドリンク

📌チチャモラーダレシピ(約4人分)

  • 紫トウモロコシの実 … 1カップ(乾燥または生)
  • レモン … 1/2個(輪切り)
  • シナモンスティック … 1本
  • クローブ … 2~3粒
  • 砂糖 … 50g
  • 水 … 1.5L
作り方
  1. 鍋に水とトウモロコシ、スパイスを入れ、30分ほど中火で煮出す。
  2. 粗熱が取れたら濾し、砂糖とレモンを加えてよく混ぜる。冷やしてサーブ。

<3-7>ブラジル:アグア・デ・ココ(Água de Coco)

アグア・デ・ココ(Água de Coco)とは、ココナッツウォーターのこと。天然の電解質(カリウム・マグネシウム・ナトリウム)が非常にバランスよく含まれ、脱水・熱中症予防にベスト。カロリーも控えめでみずみずしく飲みやすい。

愛用地域:ブラジル沿岸部全域。リオ州やバイーアなどで街角や屋台で販売される定番

📌アグア・デ・ココレシピ(約4人分)

  • 新鮮なヤシの実 … 1個(中のココナッツウォーター)
  • 氷 … 適量
作り方
  1. ヤシの実を開けて、中の水をそのままグラスに注ぐ。
  2. 氷を足してクールダウン。

<3-8>アルゼンチン:アイス・マテ(冷たいマテ茶)

マテ茶に含まれるカフェインとポリフェノールが疲労回復&集中力アップ、ミネラルが豊富で利尿作用も。冷やすことで血管を拡張し、ほてり解消にも。

愛用地域:アルゼンチン・ウルグアイ・パラグアイなど南米リャ(リャ地方)圏

📌冷たいマテ茶レシピ(1人分)

  • マテ茶 … ティースプーン山盛り1杯
  • 水 … 150ml(沸騰→80℃まで冷まし湯出し)
  • 氷 … 適量
作り方
  1. 80℃に冷ましたお湯でマテ茶を3~5分蒸らす。
  2. 茶こしで濾し、氷をたっぷり入れてグラスに注ぐ。

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