冬の病を夏に予防: 三伏天灸
三伏天とは?
【三伏天】とは、
暦の上で『夏の最も蒸し暑い時期』
(7月中旬~8月下旬頃)を指します。
【三伏天】は、
「合わせて30日間」(または40日間)あり、
「初伏天・中伏天・末伏天」の「3つの日」に分かれています。
✅【初伏天】
【夏至】から数えて「3度目の庚(かのえ)の日」
✅【中伏天】
【夏至】から数えて「4度目の庚の日」
✅【末伏天】
【立秋】以降の【最初の庚の日】
※「天」とは、中国語で「日」と同じ意味らしい。。。
中国では
「三伏天の間は、冷たい物を控えた方がいい」と言われています。
十干とは?(庚の日)
「十干」(じっかん)とは、
10日間を一区切りにして、
その10日間の1日1日に
「甲乙丙丁戊己庚辛壬癸」という名前を付けたものです。
「天干」(てんかん)とも呼ばれ、
古代中国で生まれました。
「庚の日」は、「7番目」になります。
三伏天灸とは?(三伏貼)
【三伏天】には、
「冬の病を夏に治す」という観点から
【お灸をする】習慣があります。
これを【三伏貼】と呼びます。
中医学の【天灸療法】の一つで、
「背中のツボ」に
【膏薬】を数時間貼っておく事で【免疫力】を高めます。
✅例)背中のツボ
大椎、定喘、大抒、肺兪、風門、厥陰、膏盲、腎兪 など
✅例)漢方薬
白芥子細辛、附子、ヨモギ、麻黄、半夏、杏仁、黄琴、甘草、生姜の汁 などを混ぜたもの
※「夏の病を冬に治す」という観点から、
「冬:三九天」にも同様の習慣があります。
三伏天灸の効果
下図をご覧下さい。
中医学的に、
「庚の日」は「大腸」、
「三伏天の翌日:辛の日」は「肺」に属します。
そのため、この時期は、
「消化器系・呼吸器系」の治療に適しており、
また、陽気が最も盛んな事から、
以下の治療に適した時期と考えられています。
✅【アレルギー性鼻炎】
✅【胃痛】
✅【風邪の予防】
✅【暑気あたりを防ぐ】
✅【喘息】
✅【慢性気管支炎】
✅【慢性の下痢】
夏バテ予防: お薦め食材
夏は「冷たい物」や「クーラー」などで、
体調を崩しやすい(夏バテ)時期です。
例えば。。。
「消化器系」に負担がかかり易く、
「胃腸の消化不良」を引き起こし、
食欲不振になります。
また「湿度の高い」環境や、
「冷たい物の飲み過ぎ」で、
体内に「湿が溜まる」と、
「怠さ:倦怠感」を感じ易くなります。
そのような、
「夏バテ予防」(暑気払い)にお薦めな食材です。
酸味
「お酢・梅干し・パイナップル」など・・・
「酸味のある食べ物」には、以下の作用があります。
✅「クエン酸」:ミネラルの吸収を促す
「梅干し・レモン・パイナップル」などに含まれています。
✅「酢酸」:疲労回復・(唾液の分泌を促し)食欲増進
「お酢」など含まれ「ビタミンB1を多く含む食品」
(例:豚肉)と合わせると、より効果的です。
苦味
「ゴーヤ・ピーマン・セロリ・お茶・ヨモギ」など、
「苦味のある食べ物」は、身体の熱感など
「余分なものを取り除く」作用があります。
✅「モモルデシン」:(胃液の分泌を促して)食欲増進・胃腸の粘膜を保護
「ゴーヤ」などに含まれています。
✅「ポリフェノール・アルカロイド」
「セロリ」などに含まれています。
ウリ科
「ウリ科の食べ物」(胡瓜・西瓜)には、
「身体の熱をとり、潤いを与える作用」があります。
※他にも
✔「トマト・ナス」:身体を涼めてくれる
✔ 「蓮根・冬瓜」:身体の熱を取り、喉の渇きを補う
夏バテにお薦めのツボ:湧泉
✅「湧泉の場所」
「足裏の中心より、やや上」
※「足の指」を曲げるとできる凹みの辺り
✅「湧泉の作用」
✔「体内の熱」を下へ誘導する
✔「疲労を回復させる」