地球の奥深くへ誘う、世界を旅する温泉図鑑
忙しさに追われる毎日の中で、
「ただ、深く癒されたい」と感じる瞬間はありませんか?
世界には、ただ“温まる”だけでは語り尽くせない、
壮大な自然と一体化できる温泉が存在します。
オーロラが揺れる空の下、満天の星に包まれ、氷河の青い輝きに寄り添う湯。
そして、辿り着くまでが冒険そのものの秘境温泉や、火山の鼓動を感じる大地の湯。
それらは単なる絶景ではなく、
心と身体、そして肌までも整えてくれる“体験型の癒し”。
今回は、そんな“人生で一度は浸かりたい”世界の絶景温泉をテーマ別に紹介します。
【1】絶景温泉
自然現象 × 温泉
―― それは、地球が生み出した“奇跡のコラボレーション”。
雄大な自然現象と温泉が出会う場所では、言葉では表しきれないスケールの感動が待っています。
湯に身を委ねながら、空や大地が織りなす景色を眺める時間は、日常から完全に切り離された“心のデトックス”。
まずは、想像力を解き放ちながら読み進めてみてましょう。
<1-1> オーロラ × 温泉
— 天空のカーテンが揺れる中で浸かる、究極の非日常 —
北欧やアイスランドは、冬の夜、温泉に浸かりながらオーロラを眺めるという特別な体験が叶う場所。
湯気の向こうで静かに揺れる緑や紫の光は、まるで別世界への入り口。
冷えた空気と温かな湯のコントラストが、体だけでなく心の奥までじんわりと解きほぐしてくれます。
① アイスランド・ミーヴァトン自然浴場
アイスランドは、国全体が火山帯に位置しており、地熱を活かした温泉文化が根付いています。露天風呂や温泉プールは各地に点在し、冬にはその多くでオーロラを眺めながら湯に浸かるという、特別な体験が可能です。
その中でも北部にあるミーヴァトン自然浴場(Mývatn Nature Baths, Iceland)は、美容効果の高い湯として知られています。火山地帯に湧く温泉には、シリカ(ケイ素)や豊富なミネラルが含まれており、肌のキメを整え、乾燥から守る保湿力があります。冷たい外気との温度差によって血行が促され、肌の透明感アップも期待できます。
また、ミーヴァトン周辺は光害が少なく、9月から3月にかけてはオーロラの出現率も高いため、温泉に浸かりながらの観賞にも適しています。特に12〜2月は夜が長く、空気も澄んでいるため、より幻想的な光景が楽しめます。
👉【動画】Myvatn Nature Baths – Guide to Iceland
<1-2> 星空 × 温泉
— 地球にいながら宇宙を感じる夜 —
標高の高い山岳地帯や砂漠の温泉では、光害のない満天の星空が広がる。
湯船に身を沈めると、視界いっぱいに天の川が流れ、流れ星が静かに夜空を横切る。
時間の感覚が溶けていくような、究極のリラックスタイム。
② チリ・アタカマ砂漠の温泉
南米チリは、アンデス山脈に沿って南北に細長く伸びる国で、火山活動が活発な地域も多く、各地に温泉が点在しています。特に標高の高い場所では、地熱によって湧き出す天然温泉が、古くから人々の癒しの場として親しまれてきました。
その中でも注目したいのが、世界で最も乾燥した場所のひとつとされるアタカマ砂漠。この地では、古代アタカメーニョ族が「天とつながる聖なる場所」として温泉を大切に利用してきた歴史があります。乾燥地帯に湧く温泉はミネラル濃度が高く、肌の水分保持を助けるとされ、美容面でも注目されています。
アタカマの温泉地の代表格が、「プリアタマ温泉(Termas de Puritama)」。これは、標高約3,500mの渓谷に複数の天然温泉が点在する温泉エリアの総称で、自然の地形を活かした野趣あふれる入浴体験が楽しめます。
アタカマ砂漠が「星空×温泉」に最適な理由は、その極端に乾燥した気候と高い標高、そして光害の少なさにあります。空気中の水分が少ないため、星の光がくっきりと見え、夜空全体がまるでプラネタリウムのように広がります。
ベストシーズンは5月〜10月の乾季。この時期は雲が少なく、空気が澄んでいるため、星空観賞に最も適しています。温かい湯に浸かりながら、南半球ならではの星座を眺める体験は、まさにここでしか味わえない特別なひとときです。
👉【動画】🇨🇱 Must See Places in the Atacama Desert in Chile
③ ニュージーランド・テカポ湖周辺の温泉
ニュージーランドは火山や地熱地帯が多く、各地に天然温泉が点在しています。観光地として整備された温泉施設もあれば、自然のままの温泉もあり、旅のスタイルに合わせて楽しめるのが特徴です。
その中でも、「南島(みなみじま)」の中央部に位置するテカポ湖周辺は、温泉と星空の両方を楽しめる特別なエリアとして知られています。この地域は、世界で初めて「星空保護区(ダークスカイ・リザーブ)」に認定された場所。光害を抑えるための取り組みが徹底されており、街灯の明るさや向きまで厳しく管理されています。そのため、晴れた夜には肉眼でも天の川や南十字星がはっきりと見えるほどの星空が広がります。
テカポ湖は、古くからマオリ族にとって“癒しの湖”とされてきた神聖な場所でもあります。湖畔にある温泉施設では、刺激の少ない泉質の湯が使われており、敏感肌の人にもやさしいのが特徴です。
星空を眺めながら、静かな湯に身をゆだねる時間は、心と肌の両方を整えてくれる贅沢なひとときです。
※「南島:みなみじま」は、ニュージーランドの南側にある大きな島のこと。ニュージーランドは大きく分けて「北島(North Island)」と「南島(South Island)」の2つの主要な島からできています。テカポ湖はその南島の中央部あたり、自然が豊かで、山や湖、星空が美しいことで知られています。
👉【動画】Tekapo Springs Stargazing: Lie in a Hot Spring Hammock and Watch the Milky Way
<1-3> 山岳絶景 × 温泉
④ カナダ・バンフ国立公園周辺の天然温泉
カナダは広大な国土に多くの山岳地帯と火山帯を抱え、各地に天然温泉が点在しています。先住民族の時代から“癒しの湯”として利用されてきた温泉も多く、自然と共にある入浴文化が息づいています。
その中でも特に印象的なのが、アルバータ州に広がるバンフ国立公園周辺の天然温泉です。ここはカナダ初の国立公園として1885年に指定され、19世紀には温泉保養地として開発が進みました。現在では、カナディアン・ロッキーの象徴的な景観と温泉が共存する特別な場所として、多くの旅行者を魅了しています。
温泉は、標高の高い山岳地帯に湧き出しており、雪解け水のように澄んだ空気と、雄大な稜線、深い森に囲まれたロケーションが特徴です。日本の温泉地とは異なり、視界いっぱいに広がる大陸スケールの自然が、訪れる人に深い癒しを与えてくれます。
ベストシーズンは6月〜9月。新緑から夏にかけて、ロッキー山脈の美しさが最も際立つ季節で、ハイキングや星空観賞と組み合わせた温泉体験もおすすめです。
👉【動画】Banff Alberta Hot Springs Relaxing 4K
【2】秘境温泉
— たどり着くこと自体が、癒しになる場所 ―
人里離れた山奥や未舗装の大地に、ひっそりと湧き続ける温泉。
秘境温泉とは、ただ「行きにくい場所」ではなく、
自然と人の距離が限りなく近い場所のこと。
観光地化されていないからこそ、
風の音、水のせせらぎ、湯のぬくもりが、五感にまっすぐ届く。
ここでは“整える”という言葉が、自然と身体に染み込んでいく。
<2-1> 山奥にひっそり佇む秘境温泉
⑤ ペルー|ワンカベリカ地方の高地温泉
天空に湧く、アンデスの秘湯 南米ペルーには、古代から“聖なる癒しの水”として親しまれてきた温泉が各地に点在しています。標高3,000mを超えるアンデス山脈の高地では、舗装されていない山道の先に、天然温泉がひっそりと湧き出しています。
なかでもワンカベリカ地方は、観光地化がされず、手つかずの自然が色濃く残る“本物の秘境”(Aguas Termales de Huancavelica, Perú)。視界を遮るもののない壮大な山岳風景、人工物のない静寂、そして昼と夜で表情を変える空の色が、訪れる人の心を深く癒してくれます。
◆ 美肌・美容ポイント:鉄分やミネラルを豊富に含んだお湯で、血行を促進。さらに高地特有の寒暖差が代謝を活性化させることで、美容にも嬉しい効果が期待できます。
👉【動画】𝗨𝗡 𝗣𝗔𝗥𝗔𝗜́𝗦𝗢 𝗖𝗢𝗡 𝗔𝗚𝗨𝗔𝗦 𝗧𝗘𝗥𝗠𝗔𝗟𝗘𝗦
<2-2> ジャングル・森に隠された秘境温泉
⑥コスタリカ|熱帯雨林の天然温泉
生物多様性の宝庫・コスタリカ。 火山地帯と熱帯雨林が重なり合うこの地では、森の奥深くに静かに湧き出す天然温泉が点在し、運が良ければ野生動物に出会えることもあります。
なかでも「ラ・フォルトゥナ(La Fortuna)」は、アレナル火山の地熱を活かした温泉地として知られ、緑豊かな熱帯雨林に囲まれたスパ・リゾートが充実する人気の自然観光地です。
一方で、観光地化されていないローカルな温泉も各地に残されており、川沿いにひっそりと湧く湯や、熱帯雨林の奥に隠れた秘湯など、まさに“秘境”と呼ぶにふさわしい温泉も存在しています。
◆ 美肌・美容ポイント:ミネラル豊富な湯+高湿度で天然スチーム美容
<2-3> 砂漠・荒野に湧く秘境温泉
⑦ モンゴル|大草原の遊牧民温泉
モンゴルは、広大な大地に点在する地熱地帯に天然温泉が湧き出しており、古くから遊牧民たちにとって“命を癒す水”として大切にされてきました。温泉は医療や休息の場として利用され、今もその文化は受け継がれています。
国土の多くが手つかずの自然に覆われているため、アクセスが難しい場所に湧く“秘境温泉”が多いのが特徴です。たとえば、地平線まで続く草原の中、ゲル(移動式住居)のそばに湧く温泉では、人工音のない静寂の中、風と大地だけを感じながら入浴するという、特別な体験ができます。夜には満天の星が広がり、まるで時間が止まったかのような静けさに包まれます。
一方で、観光地化された温泉地も一部存在しており、首都ウランバートルからアクセス可能な温泉リゾートや、医療施設を兼ねた温泉地も整備されています。こうした場所では、より快適な設備の中でモンゴルの温泉文化を体験することができます。
秘境と利便性、どちらの温泉にもそれぞれの魅力があり、旅のスタイルに合わせて選べるのがモンゴルの温泉の面白さです。
👉【動画】Wilderness Hot Spring for winter in Mongolia
【3】火山地帯の天然温泉
<3-1> 活火山が生むダイナミック温泉
⑧インドネシア|バリ島北部の火山温泉
英語名: Bali Hot Springs
インドネシア語: Pemandian Air Panas Bali
(例:Air Panas Toya Devasya / Air Panas Banjar など)
インドネシアは1万以上の島々からなる火山大国で、活火山の数は世界最多クラス。各地に地熱地帯が点在し、天然温泉も豊富に存在しています。ただし、国土が広く地形も多様なため、温泉の分布や利用のされ方は地域によって大きく異なります。
その中でも、観光地として世界的に知られるバリ島は、「神々の島」とも呼ばれ、火山と水が浄化と再生の象徴として人々の暮らしや信仰に深く根付いています。島の北部には、アグン山やバトゥール山といった活火山がそびえ、その周辺には古くから祈りとともに利用されてきた温泉が点在しています。
特に北部は、南部のリゾートエリアに比べて観光開発が控えめで、ジャングルと火山が織りなす濃密な自然環境が色濃く残っています。温泉に浸かりながら感じる地熱の力、そして周囲に漂うスピリチュアルな空気感は、バリ島のもうひとつの魅力を体感できる貴重な体験です。
火山のエネルギーを肌で感じながら、自然と信仰が調和する空間に身を置くことで、心身ともに深く癒される時間が流れます。
👉【動画】Penatahan Hot Spring Bali, permandian air panas belarang yang ramai di kunjungi
⑨ニュージーランド|ロトルアの地熱温泉
英語名: Rotorua Hot Springs
マオリ語: Waiariki / Ngāwhā
ニュージーランド北島に位置するロトルアは、活発な地熱活動とマオリ文化が色濃く残る地域。火山性の地熱を、生活や医療、儀式に活用してきた歴史があり、温泉もまたその一部として根付いています。
湯けむりが立ちのぼる街並みや、泥温泉、間欠泉など、温泉施設の種類が多く、スパやアクティビティ、文化体験(マオリの伝統舞踊や料理など)も充実していて、アクセスも良好。自然と静寂、星空を楽しむ「テカポ湖」とは異なり、文化と地熱を体感する“アクティブな温泉旅”が魅力。
👉【動画】ROTORUA IN 48HRS – Best Things To Do In Rotorua! New Zealand Travel
<3-2> 火山湖・カルデラに湧く温泉
⑩ イタリア|イスキア島の火山温泉
英語名: Ischia Thermal Springs
イタリア語: Terme di Ischia
イタリアは古代ローマ時代から温泉文化が発展してきた国で、現在も各地に温泉保養地が点在しています。医療や美容、リラクゼーションを目的としたスパ文化が根付いており、温泉は“癒し”と“美”の象徴として親しまれています。
その中でも、ナポリ湾に浮かぶ火山島・イスキアは、古代から温泉地として栄えてきた歴史を持ち、現在も自然派スパの聖地として知られています。島全体が火山地帯に位置しており、地熱と海のミネラルが融合した温泉が特徴です。
温泉施設は洗練された雰囲気のものが多く、静かに過ごしたい大人のリゾート地として人気があります。自然の恵みを活かしたトリートメントや、海を望む露天風呂など、美容とリラクゼーションを重視した温泉文化が根付いているのも、イスキアならではの魅力です。
⑪ ポルトガル|アゾレス諸島・サンミゲル島の火山温泉
英語名: São Miguel Hot Springs
ポルトガル語: Termas de São Miguel
ポルトガル本土にも温泉地は点在していますが、どちらかというと医療や保養を目的とした静かなスパ施設が中心です。そんな中で、よりダイナミックな自然と温泉が共存する場所として注目されているのが、大西洋に浮かぶアゾレス諸島です。
その中でも最大の島であるサンミゲル島は、火山活動によって形成されたカルデラ湖や火山谷が点在し、地熱を活かした温泉が各地に湧き出しています。温泉は地元の人々の暮らしに根付き、自然と調和した入浴文化が今も息づいています。
湯は鉄分やミネラルを多く含み、緑に囲まれた露天の温泉プールや、地熱で温められた川など、自然そのままの形で楽しめるのが特徴です。観光地としての派手さは控えめですが、火山のエネルギーと静かな島の空気が、心と体をゆっくりと整えてくれます。
👉【動画】Azores Hot Springs: The Best to Visit on Sao Miguel
⑫ ニカラグア|火山島オメテペの天然温泉
英語名: Ometepe Island Hot Springs
スペイン語: Aguas Termales de Ometepe
中米ニカラグアは、太平洋プレートとカリブプレートの境界に位置し、国内には多くの活火山が点在しています。そのため、地熱を活かした天然温泉も各地に存在していますが、観光地として整備された温泉地はまだ少なく、素朴で自然に近い形の温泉が多いのが特徴です。
その中でも特に印象的なのが、ニカラグア湖に浮かぶ火山島・オメテペ島。この島は、双子のように並ぶコンセプシオン火山とマデラス火山によって形成されたユニークな地形を持ち、島全体が火山の恵みに包まれています。
島内には、自然のままの温泉が点在しており、観光地化されすぎていない静かな環境の中で、地元の人々や旅人が湯に浸かってひと息つく姿が見られます。温泉は火山性のミネラルを含み、肌をやさしく包み込むような柔らかさが特徴です。
派手な設備や演出はないけれど、火山と湖に囲まれた静かな時間と、素朴な温泉体験が、オメテペ島ならではの魅力です。
👉【動画】Isla de ometepe Nicaragua el precioso y famoso OJO de agua
| No | 国・地域 | 温泉地名(日本語) | 英語名 / 現地語 |
|---|---|---|---|
| ① | アイスランド | ミーヴァトン自然浴場 | Mývatn Nature Baths |
| ② | チリ | アタカマ砂漠の温泉 | Atacama Hot Springs / Termas del Atacama |
| ③ | NZ | テカポ湖周辺温泉 | Tekapo Springs / Takapō |
| ④ | カナダ | バンフ上部温泉 | Banff Upper Hot Springs |
| ⑤ | ペルー | ワンカベリカ高地温泉 | Aguas Termales de Huancavelica |
| ⑥ | コスタリカ | 熱帯雨林の天然温泉 | Costa Rica Jungle Hot Springs |
| ⑦ | モンゴル | 遊牧民の草原温泉 | Халуун рашаан (Khaluun Rashaan) |
| ⑧ | インドネシア | バリ島火山温泉 | Bali Hot Springs / Pemandian Air Panas Bali |
| ⑨ | NZ | ロトルア地熱温泉 | Rotorua Hot Springs / Waiariki |
| ⑩ | イタリア | イスキア島温泉 | Terme di Ischia |
| ⑪ | ポルトガル | サンミゲル島温泉 | Termas de São Miguel |
| ⑫ | ニカラグア | オメテペ島温泉 | Aguas Termales de Ometepe |
絶景や秘境と呼ばれる温泉には、
「特別な何かを与えてくれる」というより、
本来の自分に戻してくれる力があります。
情報から離れ、
音の少ない場所で、
ただ湯に浸かり、空を見上げる。
それだけで呼吸が整い、
巡りが良くなり、
肌も、表情も、自然と和らいでいきます。
美容とは、足すことではなく、
余分なものを手放すことかもしれません。
次の旅先は、地球が用意した“癒しの源泉”を選んでみては如何でしょうか?