美白も保湿もデトックスも。タイの伝統美容で、ナチュラル美を手に入れる
タイはスパ天国と言われるほど、美容と癒しの文化が生活に根づいています。薬草の知恵、天然オイル、ハーブ蒸気など、自然の恵みを最大限に活かす美容法は、科学的でありながらもどこかホリスティック。この記事では、「ホワイトニングハーブ」「ココナッツオイル美容」「ハーブスチームサウナ」を中心に、現地で長年愛される美容習慣を深掘りしてご紹介します。
📌タイで使用される主なハーブの効能早見表
ハーブ名 | 主な使用部位 | 主な効能(体用) | 主な効能(顔用) | 使用部位(顔/体) | その他用途・特徴 |
---|---|---|---|---|---|
タナカ(Thanaka) | 木の皮 | 日焼け止め、肌荒れ予防、消炎 | 美白、皮脂抑制、抗菌、ニキビ予防 | 顔に最適 | ミャンマー発祥。タイ北部で定着 |
タマリンド | 果肉 | 血行促進、角質ケア、くすみ改善 | 保湿、美白、トーンアップ | 顔・体両方 | 酸味成分でピーリング効果。パックにも◎ |
レモングラス | 茎・葉 | 消化促進、筋肉の緊張緩和、消臭 | 毛穴引き締め、肌をすっきりさせる | 顔・体両方 | スチームやハーブボール、サウナに幅広く使用 |
バイマックルー(こぶみかんの葉) | 葉 | 血流促進、デトックス、虫除け | 毛穴洗浄、皮脂コントロール | 顔・体両方 | サウナ、マッサージ、料理でも使われる |
ショウガ(ジンジャー) | 根茎 | 血行促進、冷え改善、発汗 | 血行促進、肌代謝促進 | 体向き | 温感作用が強いため、顔には刺激が強めの場合あり |
ターメリック(ウコン) | 根茎 | 抗炎症、抗菌、関節痛緩和 | 美白、抗酸化、ニキビケア | 顔・体両方 | 顔用は微量を推奨。黄色色素が肌に残ることあり |
カミツレ(カモミール) | 花 | リラックス、抗炎症、安眠促進 | 肌荒れ改善、鎮静、敏感肌向け | 顔に最適 | お茶、ローション、スチームとしても人気 |
カフィアライム | 果皮・葉 | 発汗促進、消臭、虫よけ | 皮脂ケア、肌のクレンジング | 顔・体両方 | 香りも強く、精神安定効果もある |
【1】ホワイトニングハーブ
ホワイトニングハーブとは、肌の明るさを自然な形で引き出すことを目的とした植物由来の成分を指します。タイでは、長年にわたり自然療法が生活の一部として浸透しており、「肌を白く=健康的に整える」という考えのもと、タマリンド、ターメリック、タナカ、レモングラスなどが使用されています。これらのハーブは、くすみ除去・抗酸化・抗菌・トーンアップなどの効果をもたらし、特に化学成分に頼らないナチュラル志向の人々に人気です。
<1-1>発祥・現地の人気
タイでは古来より自然療法が生活に根付いており、ホワイトニング目的のハーブもその一環として使われています。特に「タナカ(Thanaka)」や「タマリンド」、「レモングラス」などが有名で、女性たちはこれらを粉末やペーストにして日常的に使用しています。タイでは市場やスパ、美容院などでパックやスクラブとして売られており、ローカルの美容法として浸透しています。
<1-2>効能
- 肌のくすみを改善
- 紫外線によるダメージの修復
- 毛穴の引き締め・抗菌作用
- ニキビ・シミの予防
<1-3>自作レシピ
①作り方
材料: タマリンド果肉 大さじ1、ターメリック 小さじ1、ハチミツ 小さじ1
すべての材料をボウルで混ぜ、ペースト状にする。
②使い方
洗顔後の清潔な顔にパックとして塗布し、15〜20分放置してからぬるま湯で洗い流す。
③保存方法
冷蔵庫で密閉保存し、3日以内に使い切る。
【2】ココナッツオイル美容
ココナッツオイル美容とは、タイをはじめとした熱帯地域で多用される天然オイルを使ったスキンケア・ヘアケア法です。タイ南部ではココナッツが多く栽培されており、昔から肌の保湿や日焼け後ケア、髪のツヤ出し、マッサージオイル、さらにはクレンジングとしてまで多目的に使われています。
近年では西洋でも「オーガニック美容オイル」として注目されていますが、タイでは「伝統の知恵」。オイルはさらりとしていてべたつかず、乾燥・敏感肌の救世主として親しまれています。
<2-1>発祥・現地での人気
タイ南部ではココナッツの栽培が盛んで、古くからココナッツオイルがスキンケア・ヘアケア・食用として利用されてきました。タイのスパやマッサージ店でも定番のアイテムで、美容オイルとして幅広く愛用されています。
<2-2>効能
- 肌の保湿とバリア機能の強化
- 抗酸化作用によるアンチエイジング
- 髪のツヤ・頭皮の健康促進
- クレンジングやボディマッサージにも効果的
<2-3>自作レシピ
①作り方
市販のヴァージンココナッツオイルをそのまま使用可能。手作りする場合は乾燥したココナッツ果肉から圧搾する方法があるが、手間がかかるため市販品が推奨される。
②使い方
- スキンケア:洗顔後に1〜2滴を顔に塗布
- ヘアケア:シャンプー前に頭皮マッサージ用として使用
- ボディケア:入浴後の保湿オイルとして使用
③保存方法
直射日光を避け、常温または冷暗所で保存(長期間保存可能)。
【3】タイ式スチームサウナ(ハーブサウナ)
タイ式スチームサウナ(ルアン・ポーイ)は、蒸気にハーブを取り入れた伝統的な蒸し風呂です。主にレモングラス、ショウガ、カフィアライム、ターメリックなどの天然ハーブを煮出して蒸気を浴びるのが特徴。熱いだけでなく、リラックス効果・呼吸器へのアプローチ・美肌効果などが期待されます。
他国のサウナとの違い:
比較項目 | タイ式スチームサウナ | フィンランド式サウナ | 韓国のチムジルバン |
---|---|---|---|
温度 | 約40〜50℃の低温多湿 | 約80〜100℃の高温乾燥 | 低〜高温の部屋が複数あり |
湿度 | 非常に高い(ハーブ蒸気) | 非常に低い(乾燥) | 施設によりさまざま |
特徴 | ハーブを使った香り・薬効重視 | 熱で血行促進・汗をかく | 岩盤浴・多機能型施設 |
利用目的 | 美容・リラックス・体調回復 | 体力回復・精神統一 | 家族レジャー+美容 |
<3-1>発祥・現地での人気
「ルアン・ポーイ」と呼ばれるタイの伝統的なハーブサウナは、寺院や農村の共同施設、スパなどで体験できます。出産後の女性が体調を整えるために利用する文化もあります。観光客向けのスパでも人気のメニューです。
<3-2>効能
- 発汗によるデトックス効果
- 呼吸器系の浄化とリラックス
- 肌のトーン改善とハリ感アップ
- 血行促進と冷え性改善
<3-3>自作レシピ
①作り方
材料: レモングラス、バイマックルー(こぶみかんの葉)、ショウガ、ターメリック、カミツレ(カモミール)など
材料を鍋に入れ、水を加えて煮出す。湯気が立ってきたらバスタオルなどでテント状に覆い、その中でハーブ蒸気を浴びる。
②使い方
10〜15分程度、蒸気を顔や体に当てる。長時間は避け、様子を見ながら行う。週1〜2回が目安。
③保存方法
煮出したハーブ液はその日のうちに使用。使い終わったハーブは乾燥させて入浴剤として再利用可。
【4】ハーバルボール療法

<4-1>発祥・現地での人気
タイの伝統医療に基づく「ハーバルボール」は、布に包んだ複数のハーブを蒸し温めて体に押し当てるマッサージ法。タイのスパやトラディショナルマッサージ施設では定番で、疲労回復、美肌、冷えの改善に用いられます。セルフケアとして家庭でも使用する人が増えています。
<4-2>効能
- 筋肉の緊張緩和と血行促進
- 発汗によるデトックス
- 肌の新陳代謝促進
- 香りによるリラックス効果
<4-3>自作レシピ
①作り方
材料: レモングラス、ショウガ、カフィアライム、ターメリック、こぶみかんの葉などを乾燥させ、布で包んで糸で縛る。
②使い方
蒸し器で10〜15分加熱して温め、気になる部分に押し当てながらマッサージ。
③保存方法
使用後は乾燥させて再利用(約3〜4回まで可能)。冷蔵庫保存推奨。
【5】モリンガオイル・モリンガパウダー
モリンガ(Moringa)は、インド、アフリカ、アジアの熱帯地域に生息する植物で、「奇跡の木」とも呼ばれています。モリンガはインドのアーユルヴェーダで古くから利用され、栄養価の高さから「生命の木」とも呼ばれています。健康食品や美容アイテムとして世界中で注目されており、タイでも近年、スムージーやサプリメント、オイルなどの形で広まり、ナチュラル志向の人々に人気があります。

<5-1>効能
モリンガは美容と健康の両面で優れた効果を持っています:
- 高い抗酸化力(アンチエイジング効果)
- ビタミン・ミネラル豊富(肌の調子を整える)
- 炎症を抑える作用(肌荒れやニキビの改善)
- 髪や頭皮の栄養補給(ツヤとコシを与える)
- 紫外線ダメージの軽減(日焼けによる肌の酸化を防ぐ)
- デトックス効果(体内の老廃物排出を促進)
<5-2>自作レシピ
①作り方
- モリンガオイルは市販品をそのまま使用。
- モリンガパウダーはスムージーやフェイスマスクに応用可能。
- より保湿効果を高めるために、はちみつやアロエジェルを加えるのもおすすめ。

②使い方
- オイル:顔・髪・爪・ボディに塗布。特に乾燥肌のケアに最適。
- パウダー:ヨーグルト+モリンガでフェイスマスクとして活用。
- スムージー:バナナや豆乳と混ぜると栄養価がさらにアップ。
③保存方法
- オイルは冷暗所で保管(酸化しやすいので密閉保存)。
- パウダーは湿気を避け、乾燥保存で長期間使用可能。
【6】ナムオブ(伝統的化粧水)
ナムオブ(Nam Ob)は、タイの伝統的な芳香水で、特に結婚式や仏教行事などの神聖な場面で使用されます。タイでは、特に新婦の準備としてナムオブを使用することがあり、幸福と清らかさを象徴します。花びらを水に浸して作るこの化粧水は、美肌効果やリフレッシュ効果があり、タイ北部や中部の文化に深く根付いています。チェンマイなどの市場ではナムオブが販売されており、お土産としても注目されています。
<6-2>効能
- 肌の保湿と引き締め(乾燥を防ぎ、ハリを与える)
- 精神の安定・ストレス緩和(花の香りによるリラックス効果)
- 清涼感による気分リフレッシュ(暑い季節のクールダウンに最適)
- 自然なフレグランスとしても使用可(香水代わりに)
<6-3>自作レシピ
①作り方
- 材料:ジャスミン、バラ、オレンジの花などの花びらを水に入れ、冷蔵庫で一晩漬け置く。
- より香りを長持ちさせるために、ローズウォーターやハーブエキスを加えるのもおすすめ。
②使い方
- スプレーボトルに入れて、顔や体、寝具にもスプレー。
- 外出前のリフレッシュや、瞑想時の香りアイテムとしても活用可能。
③保存方法
- 冷蔵保存で3〜5日以内に使用。
- 防腐剤なしのため、早めに使い切るのがベスト。
【7】タナカパウダー
タナカ(Thanaka)は、ミャンマー原産の樹木で、その樹皮を粉末状にしたものが「タナカパウダー」です。ミャンマーでは約2000年以上前から美容や健康のために使用されてきました。タイ北部でも伝統的に使われており、天然由来で肌に優しく、敏感肌の人でも使用しやすい点が評価され、特に日焼け防止やスキンケアとして人気があります。
補足情報
- 伝統的な使用法:ミャンマーでは、僧侶や信者が額や頬に塗ることがあり、これは心身の浄化と守護の象徴とされています。
- 商業的な栽培:タナカの木は乾燥に強く、温暖な地域で栽培可能ですが、商業的な栽培は少なく、主に自然のものが使用されています。
- タイ北部での人気:チェンマイなどの市場ではタナカパウダーが販売されており、お土産としても人気があります。
<7-1>効能
- 肌のトーンアップ(ナチュラルなホワイトニング)
- ニキビ予防(抗菌作用)
- 日焼け防止効果(紫外線カット)
- 肌の引き締めと保湿
- 抗酸化作用(紫外線による酸化ストレスを軽減し、肌の老化を防ぐ)
- 虫刺され予防(かゆみを抑え、炎症を軽減)
<7-2>自作レシピ
①作り方
- 木のパウダー(市販品でも可)大さじ1に水またはローズウォーターを加えてペースト状に。
- より保湿効果を高めるために、ヨーグルトやはちみつを加えるのもおすすめ。
②使い方
- 洗顔後、顔に塗って15〜20分ほどパック。
- 薄く塗れば日中のUVケアにも。
- 虫刺されのケアとしても使用可能。
③保存方法
- ペーストは1回分ごとに作るのがベスト。
- パウダー自体は乾燥保存で1年以上可。
【8】お米を使った美容(スクラブ・石鹸)
<8-1>発祥・現地での人気
タイではお米が主食だけでなく美容にも活用されてきました。米ぬか・ジャスミンライス・もち米などを使ったスクラブや石鹸は、くすみ除去や保湿効果に優れており、地元女性の定番美容法。特に自然派スパでは「ライスミルクマッサージ」が人気。
<8-2>効能
- 古い角質の除去(ピーリング効果)
- 保湿力のある美白ケア
- 肌のトーンアップと透明感向上
- 柔らかい肌質に導く
<8-3>自作レシピ
①作り方
すり鉢で砕いた白米大さじ2+ヨーグルト大さじ1+はちみつ小さじ1を混ぜる。
②使い方
スクラブとして顔や体を優しくマッサージ。洗い流した後はしっとりもちもちに。
③保存方法
1回分ごとに作るのがベスト。冷蔵保存で2日以内に使い切る。
📌タイのマッサージ:
癒しの本場・タイの伝統マッサージ完全ガイド|心と体を整える4つの施術法
📌タイの健康法:
タイ伝統の健康法3選|ルーシーダットン・モー・ボラン・ハーブ療法で心と体を整える
📌タイの美容法:
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